ドゥドゥを表敬訪問した後、私は今回のドキュメンタリーのためにインタビューを撮らせてほしいとお願いしました。しかし音楽活動で飛び回っている彼には時間がない。ダカールにいる日も限られます。それなのに私たちはなんと幸運にもその後2回も彼を撮影できたのです。
 まずはセネガル相撲の好きな彼を追って、彼の自宅に近い競技場に行き、そこでタケオと一緒に観戦しているところを撮影。セネガル相撲にサバールはつきもの。各選手に応援のサバールチームがついて、闘志を奮い立たせる演奏をしていました。帰り道ドゥドゥはタケオの肩をずっと抱いて歩き、彼の家まで連れていってくれました。
 国外に演奏旅行に出かける前日には我々のインタビューに応じてくれました。そしてタケオと一緒にサバールを叩いてくれたのです。彼は微笑みながらタケオの太鼓に合わせてくれました。それはとても自然で、ドゥドゥがタケオをいかに愛してくれているかよく分かりました。インタビューで彼はなんどか強調していました。
「タケオが世の中にもっともっと知られるようにみなさんで援助してください」。
 ドゥドゥ・ンジャエ・ローズ78歳。彼がセネガルで最初の人間国宝だということを知ったのは日本に帰ってからでした。
ドゥドぅさんとタケオ 
記念撮影
ドゥドゥとサバールを叩く